●近年日本において肥満および肥満症(肥満が関連する健康障害)の方が増加しています。
●約15年前からわれわれが糖尿病の薬として使用していたGLP-1レセプター作動薬が「肥満症」に適応になりました。
●萬田記念病院は40年以上にわたる糖尿病専門病院の経験を活かして肥満症の治療に取り組みます。
●日本糖尿病学会専門医が皆様の診療を担当します。
「肥満」とは脂肪組織が過剰に蓄積した状態で、日本ですとBMI{体重(kg)/身長(m)2}が25 kg/m2以上の状態を指します。
「肥満症」とは肥満(BMI ≧ 25 kg/m2)があり、肥満が原因ないし関連する病気*を合併し減量を要する(減量により改善または進展が押さえられる)状態を指します。
1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
2. 脂質異常症
3. 高血圧
4. 高尿酸血症
5. 冠動脈疾患
6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
8. 月経異常・女子不妊
9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群、肥満低換気症候群
10.運動器疾患(変形性関節症:膝・股・手指関節、変形性脊椎症)
11.肥満関連腎臓病
下記1.2.を両方満たす方が対象です。
A)高血圧症
B)脂質異常症
C)2型糖尿病
1)**BMI 27kg/m2以上で、2つ以上の「肥満に関連する健康障害*」がある
または、
2)**BMI 35kg/m2以上
**BMI={体重(kg)/身長(m)2}
BMI=( 体重 )kg ÷( 身長 )m2
○肥満症外来は毎週火・木・金曜日の午前中です。
○外来は予約制で、新患は一日2名までです。
○受診希望の方は萬田記念病院(TEL011-231-4032)までお電話いただき、肥満症外来受診希望である旨をお伝えください。
○ご自身の身長・体重を確認し、BMIを計算してからお電話をいただくようお願いします。
○初診後6ヶ月間は食事・運動療法で減量を試みます。
○2ヶ月に1回は栄養指導を受けていただきます。
○耐糖能障害以外の肥満関連健康障害の有無も調べます。
○他院通院中の患者さんでも当院で肥満症の治療を受けていただくことができます。
○6ヶ月間の食事・運動療法で十分な減量効果が得られない方で、薬物治療を希望される方に週1回皮下注射する
GLP-1受容体作動薬(ウゴービ®)を使って薬物治療を行ないます。
○ウゴービ®は少量から開始して漸増し、最長68週間投与可能です。
○ウゴービ®投与中も2ヶ月毎に栄養指導を受けていたきます。
○ウゴービ®中止後の体重変動、血液データをみて再投与を検討します。
○当院ではウゴービ®を健康保険適用薬として使用します。
○ウゴービ®の薬価は下記のとおりです
0.25mg(1,876円)・0.5mg(3,201円)・1.0mg(5,912円)・1.7mg(7,903円)・2.4mg(10,740円)
○例えば、2.4mgを毎週1回注射すると3割負担の目安は以下の金額です。
10,740円×4回×3割負担=12,890円(ひと月4週として計算)
投与開始時に投与法や留意事項の説明がございます。