2013年7月29日〜8月2日 の5日間、タイへ海外研修へ行かせていただきました。研修先は、バンコクのテープタリン病院です。
9階にある食堂は壁が一面大きなガラスでとても眺めがよく広々としていました。患者さんや家族、職員、一般の方も利用されていました。
同じフロアにある厨房ですべての食事を調理していました。
入院患者の食事はカロリーや蛋白質、禁止食品などの指示オーダーが画面に入力され、
印刷した用紙を見ながら盛付、配膳が行われていました。
隣の建物にある入院病棟へは温冷配膳車を使用して運んでいるそうです。
研修中は病院で昼食を出していただいてその他に10時と15時に軽食が出されました。
くせのある味付けはほとんどなくて全体的に食べやすかったです。
1日目の昼食に出していただいたエビの炒めごはんをメインとした献立はカロリーと蛋白質や脂質の量が記載されたものが
テーブルの上に立てられており消費するには水泳45分とのコメントも記載されていました。
こちらは栄養相談室で中央の方が管理栄養士です。
現在はカーボカウントと栄養成分表示の見方を重点に指導していると仰っていました。
日本で使用している糖尿病の食品交換表のように国全体で統一した栄養指導媒体はタイにはないそうです。
糖質の多い果物や豆類が豊富なのでそれらの食品を中心にフードモデルなどを使用して指導しているそうです。
テープタリンでの患者を中心にしたモデルです。
このモデル図を概念にそれぞれの職種がアプローチをします。
BeMoとは・・・行動変容プログラム
2番目の処方箋と言われており、BeMoは患者に対して医師、ナース、栄養士、運動療法士のチームで働きかけます。
ポイントとしては簡単で楽しく、穏やかな雰囲気で行うことが重要です。
BeMoは食事療法、意欲(精神)の維持、運動療法で構成されています。
意欲に関しては対象者自身が目標を立て、目標到達できるように医療者がサポートする。
これが重要で、自己効力感を高める関わりを意識していると感じました。
方法としてはコーチングや食事療法は栄養士が食事のとり方を実践的にアドバイス。
ここでいう運動とはフィジカルアクティビティのことで、エクササイズがジャンプやエアロビクスなどの運動であるのに対し、
フィジカルアクティビティはエクササイズとは異なり、軽い運動が主で、家事やウォーキングも含んでいます。
高齢者や肥満者にも適しており、日常生活のなかでも取り入れやすいものです。
共通して言えるのは『楽しく続けること』を意識しているのが印象に残りました。
僧侶を対象にした啓蒙活動
タイは仏教が中心で、地域住民はお寺や僧侶をとても敬っています。
参拝に行った時に説法を受ける際に、糖尿病の予防活動を話してもらい、住民に浸透させるそうです。
企業に出張しての予防プログラム。
アクティビティが中心で、1〜2日間の日程で行うこともあるそうです。
企業内のフロアを広く使い、ゲーム感覚で行うことで、対象者の関心を高めています。
企業が協賛しているので、学習キットが立派でした。
このキットは地域や施設などの代表者が予防プログラムに出席した際に、無償で配られて、
所属もとに戻った時の教育活動に役立てられてるそうです。
フットケア
ハンマートゥの改善に指の腱を切断して改善。
潰瘍部の保護にはギブスを使います。
潰瘍部を囲むようにギブスで覆い、歩行による創部への刺激を防いでいます。
ギブスは約1か月つけたままで、その間は消毒も洗浄も行わないそうです。
人間本来の自然治癒力で治癒するという考えがあるとのこと。
創部を保護するための靴。
足にトラブルが出来た時、日本では中敷きを調整して過剰な刺激の軽減に努めますが、タイでは靴自体を調整することで
刺激の軽減に努めているそうです。
タイでは靴を履くという習慣が薄く、殆どの住民がサンダルを使用しているため。
フットケア目的で靴を作成しても抵抗感を示す患者が多く、靴もなるべくサンダルの形態に近いようにデザインしたものが多いようです。
一般的に使用されている履物。
フットケアの見学に訪れた病院
テープタリンのフットケアスタッフもここで研修し、技術を学んだそうです。
Leprosy Hospital ここは公立の病院でテープタリンの施設と違い、設備面で私立との病院の差があります。
靴を作る場合、診察室で足型をとります。
取った足型は診察室隣の靴工房で制作されます。一足2万円弱。
1年に1足なら30バーツ制度の利用で、30バーツの自己負担で作成できます。
この工房では1月で200足の靴を作成しているそうです。
今回,4泊5日という短い期間でしたが,非常に有意義に,充実した時間を過ごせました。
研修終了後にエメラルド寺院等へ見学に行きました。
タイの方たちは、親切で、食事が美味しく,歴史もあり,また行って見たい国になりました。
皆様もどうか機会がございましたら台湾へ旅行へ行ってみてはいかかでしょうか。